ぼくのゲーム棚

プレイし終わったゲームの要点を、本当の要点だけに絞って書いておく

『ポッ拳 POKKEN TOURNAMENT』の要点レビュー

■『ポッ拳 POKKEN TOURNAMENT』
発売:ポケモン  開発:バンダイナムコエンターテインメント
発売日:2016年3月18日 ハード:Wii U
レビュー時プレイ時間:7時間程度
当方格ゲー歴:初心者(ほぼ初めて)

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ポケモンをグリグリ動かす

格ゲーの命である部分なのかもしれませんが、
アクション部分は触っていて非常に気持ちがいいといった感想です。

さすが、鉄拳とソウルキャリバーを作ったバンダイナムコさんといったところで、
それぞれのポケモンに設定されたたくさんのポケモン技を使いながら、
グリグリと好きなポケモンを動かすことができます。

エフェクトもそこそこ綺麗、ヒット時の演出も気持ちがいい上に、
わりと適当にボタンを押していても、コンボっぽくなるので、
初心者でも安心して格闘できます。

「使えるポケモンの数が少ない」という評判・評価もありますが、
1匹1匹の技設定は緻密で、コンボ時の爽快感もバツグンです。

 

●格ゲー特有のとっつきづらさが少ない

私は格ゲー初心者です。
全く触れたことのない私でも、少し腰を据えてプレイすると入り込める格ゲーでした。

ちゃんとチュートリアルをして、使いたいポケモンの技を覚えて、
通常攻撃・投げ攻撃・ガード攻撃の3すくみを意識できるようになれば、
「格ゲーは難しそう」って思う人も遊べるようになります。

キャラはそこそこいますが、まず先に1匹使いこなしたいキャラを決めて、
それから5時間ぐらいじっくりプレイしてみると、
ポケモンを気持よくぐりぐり動かす楽しさが味わえると思います。

格ゲーに抵抗がある人こそ、一度触れてみるといいタイトルかもしれません。

『いけにえと雪のセツナ』の要点レビュー

■『いけにえと雪のセツナ』
発売:スクウェア・エニックス  開発:Tokyo RPG Factory
発売日:2016年2月18日 ハード:PS4、PS Vita (Vita版をプレイ)
クリア時間:20時間程度

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●雪国のあたたかさ

舞台は雪国。
はじめから終わりまで、ずっと雪の降る情景が続く。

しんしんと雪が降る情景にマッチしたピアノ一本のBGMは、
切ないながら温かみのあるメロディー。

雪景色に差し色として使われるオレンジ色(メインビジュアルにも)や、
雪が積もる寒そうな町に灯る、あたたかそうなランプやたいまつ。

生け贄ながらも健気に進むヒロインや、
寒い自然は厳しくともそこに住まう人々のあたたかさ。

過酷な雪国の状況に、オレンジ色のあたたかさが心地よかった。

 

●「とりもどそう、ボクたちのRPG」という開発理念について

クロノ・トリガー』のような、かつてのワクワクしながら遊んだRPGを作る。
と、言って開発がスタートした本作。

残念ながら、かつての名作のような凄みは感じられなかった。

 

かつての名作は、ハードの制約など物ともせず、
本当におもしろいものを作ろうと死に物狂いで突き詰めた結果、
これまで凄みのある名作として世に放たれてきた。

今作は、「必死に面白いものをつくってやろう」という気持ちよりか、
「かつての名作に似せようとしていることに執着してしまったのではないか?」、
とプレイしていて思った。

 

システムやグラフィック、BGM、演出のお決まりなど、ほとんどの要素は、
名作RPGにあるものを取り入れている。
ただ、そこには、模倣があるだけで、名作としての凄みは全くなかった。

BGMも、FFやクロノなどのおなじみBGMに旋律を被せているところがあった。
そこはオリジナルタイトルとして、『セツナ』のBGMを突き詰めて、
新しく名曲を生み出して欲しかった。

 

Vita版はちょっとイライラするレベルの画面カクつきがある

ネットで騒がれていたとおり。
PS4版をおすすめします。

『STEINS;GATE』の要点レビュー

STEINS;GATE
発売:5pb.  開発:5pb. × Nitroplus
オリジナル版発売日:2009年10月15日 プレイハード:PS Vita(2013年発売)
プレイ時間:39時間25分(全エンディングコンプ)

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●制作側も、主人公も、諦めない、真面目で泣ける物語

なんといっても、このゲームはストーリーが全てだと思います。
(というより、ノベルゲームはストーリーが全てな気もしますが)

序盤からたくさんの伏線を仕込み、しこたま仕込み、
ときには伏線の中にさらに伏線も仕込んでいく。

ストーリーが進んで、たっくさんの伏線をすべて広げ終わった後に、
「さぁ、」と言って、感情有るストーリーと共に、粛々と全ての伏線を回収し始める。

どの伏線回収も無理がなく、毎回あっけにとられる。

すべて広げて、ちゃんと全部たたんでいく、その様相は気持ちがいいくらい。


ストーリーの細部、どこにもごまかしはなく、

「な...あそこでオマエは死んだはずじゃ...」に対して
「主人公だから、実は生きていたんです〜」

みたいな、JRPGによくある興ざめな展開はない。

一つ一つのストーリー展開がちゃんと理不尽で、
でもその理不尽を全部一つ一つ丁寧に、そして真面目に、遊び手を裏切ることなく解決していく。


ただ唯一、Trueエンドのラストシーンだけに、奇跡のような、ご都合主義とも言えてしまう現象がある。
それでも「うわ、結局最後はご都合主義か」とは全く思うことはなく、
それまでのストーリー展開の感情の高まりから、「ここまでやったんだから、もう幸せになってよかった」
と思わせてしまうことに成功していて、逆にそれが言い訳のない感涙のストーリーを構築する、いいスパイスになっていた。

『名探偵ピカチュウ 〜新コンビ誕生〜』の要点レビュー

■名探偵ピカチュウ 〜新コンビ誕生〜
発売:ポケモン  開発:クリーチャーズ
配信開始日:2016年2月3日  ハード:ニンテンドー3DS
クリアプレイ時間:3時間45分

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●ダンディに喋り、コミカルに動くピカチュウ

ピカチュウが、ダンディな声で主人公に話しかけてくる点が、なによりのおもしろさ。
(ただし、実際にピカチュウが人間の言葉を話せる設定というわけではない)

CG映画のようなフェイシャルとモーションの作りこみで、ピカチュウに命が吹き込まれている。表情の変遷まで作りこまれていて、見ていておもしろい。

そこに、「女の子好き、コーヒー好き、わざが出せない」という性格設定としてのスパイスがよく効いている。

ピカチュウの1個体に、ダンディな名探偵ピカチュウという個性を吹き込むことに成功している。

 

ピカチュウと一緒に考え、ポケモンとコミュニケーションしながら謎解き・問題解決

ピカチュウと一緒に謎解きをする感覚。
周りのポケモンとコミュニケーションしながら、時にはポケモンの力を借りて問題解決にあたる楽しさ。

このふたつに、ただの謎解きものではないおもしろさがある。

ポケモンと人間が共に生きている世界(人間と一緒に働いているポケモンも)で起きる事件に、人間には主人公、ポケモンにはピカチュウの、それぞれのコミュニケーションを用いながら、ピカチュウと共に解明していくゲーム性は、ポケモンならではの味付けだった。

 

『ゼルダの伝説 風のタクト HD』の要点レビュー

ゼルダの伝説 風のタクト HD
発売:任天堂  開発:任天堂
発売日:2013年9月26日  ハード:Wii U
クリアプレイ時間:28時間54分

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●"らしさ"が詰まった世界観

海を舞台にした島々で、あるいは船で生活する人々や、その環境てこんなだろうな、という"らしさ"が圧倒的に構築されていた。

それらは、トゥーンタッチの絵作りだけでなく、セリフ回し、キャラクターの性格、音楽、全てがこの世界を構築していた。

孫を心配するおばあちゃん、そのおばあちゃんを心配する島の人など、一つの島の中での温かい人間関係も描かえる。

 

●自分で解いた感のある謎解き

航海と戦闘と謎解きで構成される本作。
ゼルダシリーズ肝要の謎解きは、ちょうどいい難しさで味付けされている。

謎解きに直面し、すぐにわかって謎が解けるわけではないが、そこかしこに言葉ではないアフォーダンスレベルのヒントがある。
それを頼りに考えれば、スッキリ解ける謎解きレベルに調整されていた。

つっかからないけど、ちょっと考える、"自分で解いた感"のある謎解きが、ダンジョン攻略をそそる。

 

 

『ゼノブレイドクロス』の要点レビュー

ゼノブレイドクロス
発売:任天堂  開発:モノリスソフト
発売日:2015年4月29日  ハード:Wii U
クリアプレイ時間:97時間51分(わりとサイドストーリーをこなしての結果です)

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●広大な惑星の絶景オープンワールド

開発は、惑星を一つ作ってしまった。
その惑星の密度は高く、広大なフィールドに絶景が詰まっている


オープンワールドらしからぬ、手作業で作りこんだ人間関係

オープンワールドを作るにあたって、そこで生活する"人"を作りこむには、
多くのNPCに流用できる反応(行動、セリフ、応答)をプログラムする手っ取り早い。
そうすることで、主人公との人間関係の無いNPCであふれた、"とりあえずの街"は作ることができる。

ゼノブレイドクロスはそうは行かず、たくさんの街の住人一人ひとりに、
手作業で"生活"を落とし込んでいる。
そうすることで、主人公との人間関係に深く関わるNPCたちであふれた、
"自分が生活している、この街"を作ることに成功している。